中国のリアルを数字で見る
マクロ経済 / 不動産と地方財政 / 物価と貿易 / 人口と社会構造
出典:中国国家統計局(NBS)・中国税関総署・S&P Global/RatingDog(旧Caixin)・IMF・国連人口基金・各種報道機関
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音声解説:中国のリアルを数字で見る
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01 マクロ経済
02 不動産・地方財政
03 物価・貿易
04 人口・社会
05 出入国管理・新規定
実質GDP成長率(2026年Q2・公式)
4.3%
前期(Q1):5.0% /2022年Q4以来の低水準
▼ 政府目標(4.5〜5.0%)を下回る
製造業PMI(2026年7月) 公式(NBS) vs 民間(RatingDog)
49.2 vs 50.9
NBSは縮小、RatingDogは8ヶ月連続拡大
⚠ 公式・民間で明暗が分かれる
輸出額 前年比(2026年7月)
+23.9%
6月:+27.0% (2021年10月以来の高い伸び)
▲ 半導体等ハイテク輸出+40.7%
小売売上高 前年比(2026年6月)
+1.0%
5月:▲0.6% (2022年12月以来の単月マイナス)
▼ 内需の弱さが継続
公式PMIと民間(オルタナティブ)PMI の乖離(2026年7月)
中国の製造業PMIには、政府系機関である国家統計局(NBS)が発表する「公式PMI」と、S&P Global(旧Caixin、2025年8月以降は中国のRatingDog社が名称権を取得し「RatingDog PMI」に改称。調査手法・母集団は従来と同一)が発表する「民間PMI」の2種類が存在します。
NBS公式PMI(約3,200社・国有大企業中心)
RatingDog(旧Caixin)PMI(約500社・民間中小/輸出企業中心)
2026年7月時点でNBS公式PMIは49.2(好不況の境目である50を下回る=縮小)である一方、RatingDog PMIは50.9(8ヶ月連続で50を上回る=拡大)と、明暗が分かれています。
なぜ数字が分かれるのか:調査対象の違い
NBS公式PMI
全国から約3,200社を抽出する大規模調査。国有企業や大企業の比重が相対的に高く、内陸部・伝統産業も幅広くカバーします。景気の「マクロ・全国的な地合い」を映しやすい調査です。
RatingDog(旧Caixin)PMI
約500社を対象にした調査で、沿海部の民間企業・輸出志向の中小企業の比重が相対的に高いとされます。AI関連輸出など、足元で好調な分野の勢いを拾いやすい調査です。
※どちらか一方が「正しい」わけではなく、対象とする企業層が異なるために生じる乖離です。S&P Globalの分析でも、両調査は多くの期間で同じような方向感を示す一方、特定の局面では乖離が生じると指摘されています。
「二段構え経済」:輸出は絶好調、内需は低調
2026年第2四半期のデータを比較すると、対外的な指標(輸出)と対内的な指標(小売売上高・不動産投資)の間に大きな差が見られます。
出典:中国税関総署(輸出)、中国国家統計局(小売売上高・不動産開発投資)。2026年7月単月の輸出額は前年比+23.9%と高い伸びを維持した一方、同時期の小売売上高(6月+1.0%)や不動産開発投資(1〜6月累計▲18.0%)は弱含みで推移しています。
ポイント: AI関連需要を背景にした半導体・ハイテク製品の輸出が牽引役となり、貿易黒字は2026年7月時点で年初来7ヶ月累計約6,874億ドルと高水準を維持しています。一方で、不動産開発投資は1〜6月累計で前年比▲18.0%、小売売上高は月によってマイナスに転じるなど、内需面の弱さは解消されていません。NBS自身も「国内の供給と需要の不均衡が顕著」と認めており、輸出とハイテク製造業が牽引する「二段構え経済」という捉え方がエコノミストの間で広がっています。
若年層失業率(16〜24歳、学生除く)
2026年7月
17.9%
卒業シーズンの影響で6月(14.9%)から+3.0pt急上昇
全年齢 都市部失業率(2026年7月)
5.2%
前月5.0%から悪化
※2023年6月に記録された過去最高21.3%は、統計局が同年に「学生を含む」旧基準から「学生を除く」新基準に変更する前の数値であり、現在の17.9%等の数値と単純比較はできない点に注意が必要です(統計局は2023年6月分の公表を一時停止し、新基準で公表を再開)。
⚠️ 本セクションのデータは中国国家統計局(NBS)・中国税関総署・S&P Global/RatingDogの公表データ、および各種報道機関の報道に基づく概算・引用です。中国の公式統計は実態との乖離がしばしば指摘されており、本ダッシュボードは公式統計とオルタナティブデータを並べて提示することで、特定の立場を断定せず読者自身の判断材料を提供することを目的としています。投資助言・政策提言ではありません。
地方政府「隠れ債務」公式認定額
10.5兆元
2023年末14.3兆元→2024年末10.5兆元(2028年に2.3兆元へ圧縮目標)
政府公認ベースの数字
IMF推計 LGFV債務総額
約58兆元
GDP比約48%/IMFは「金融安定への重大なリスク」と警告
⚠ 政府公認額の約5.5倍
土地使用権売却収入(2025年)
4.15兆元
2021年ピーク8.7兆元から▲約52%
土地売却収入 前年比(2026年1〜6月)
▲31.5%
1〜2月▲25.2%→1〜4月▲27.2%→1〜6月▲31.5%と減少ペースが加速
▼ 悪化継続中
地方政府の「土地財政」 収入の推移
地方政府にとって土地使用権の売却収入は、長年インフラ投資や行政運営を支える主要な財源でした。不動産不況の長期化により、この財源が急速に細っています。
出典:中国財政部。2022〜2024年の値は、財政部が公表した各年の前年比増減率(2023年▲13.2%、2024年▲16%、2025年▲14.7%)から逆算した参考値であり、2021年(8.7兆元)・2025年(4.15兆元)は複数の報道で確認できる確定値です。
2026年、減少ペースが一段と加速
2026年に入り、土地売却収入の減少(前年同期累計比)は月を追うごとに深刻化しています。
出典:中国財政部発表(各期間の累計値・前年同期比)。1〜6月累計は9,778億元で、前年同期比の減少率は1〜2月の▲25.2%から▲31.5%まで拡大しています。
「隠れ債務」の推計はなぜここまで幅があるのか
LGFV(地方政府融資平台)債務は、その多くが地方政府のバランスシートに載らない「簿外債務」であるため、算出主体によって推計額に大きな開きがあります。
① 中国政府の公式認定額:10.5兆元(2024年末)
2023年末に財政部が公式に認めた「隠れ債務」14.3兆元を出発点とし、2024年11月開始の12兆元規模の債務スワップ・プログラムにより2024年末時点で10.5兆元まで圧縮したとする政府公表値。2028年末までに2.3兆元まで圧縮する計画。
② IMF推計:約58兆元
IMFは中国の金融システムに関する報告書で、LGFVの債務残高を約58兆元(GDP比約48%)と推計し、「返済能力を欠いたまま借り換えを繰り返している債務は金融安定への重大なリスク」と警告しました。
③ 中国政府のIMFへの反論:44兆元
IMFの報告書に対し、中国のIMF理事は「二重計上によるもの」と反論しつつも、独自にLGFV債務総額を44兆元と提示。これは2024年の債務再編策定時に用いられた推計の約3倍に相当し、政府内でも推計に大きな幅があることを示しています。
④ 民間機関の推計:9〜14兆ドル(約65〜100兆元)
約4,000社のLGFVの有利子負債を積み上げる民間の集計では、さらに広いレンジ(9兆〜14兆ドル)が示されています。GDP比では50〜80%に相当するという試算もあります。
※これらは算出主体(政府公認・IMF・中国政府のIMFへの反論・民間機関)とその定義・集計範囲が異なるため単純比較はできません。ただし、どの推計を採っても政府公認額を上回っている点は共通しており、LGFV債務の全容把握そのものが構造的に難しいことを示しています。
ポイント: 2024年11月に始まった12兆元規模の債務スワップ・プログラムは、高金利の「隠れ債務」を低金利の地方債に置き換えることで当面の資金繰りを助けるものですが、Fitch Ratingsは「再編の対象となったのは隠れ債務全体の約25%に過ぎない」と指摘しています。土地売却収入の減少ペースが2026年に入ってさらに加速していることを踏まえると、財源の細りに債務圧縮のペースが追いついていない可能性があります。
不動産不況が地方財政に波及する構造
① 不動産開発の減速 → デベロッパーが新規の土地取得を縮小
↓
② 地方政府の土地売却収入が急減(2026年1〜6月 前年比▲31.5%)
↓
③ インフラ投資・行政サービスの原資が不足、LGFVの資金繰りが悪化
↓
④ 高金利の「隠れ債務」に依存、借り換えの繰り返しで残高が積み上がる
この構造への対応策の一つとして、土地売却収入に代わる恒久財源を確保するための不動産税(固定資産税に相当)導入が長年議論されていますが、上海・重慶での試験導入では税収が地方税収のわずか3%程度にとどまるなど、本格導入には曲折が見込まれています。
⚠️ 本セクションのLGFV債務推計は、算出主体(中国財政部・IMF・民間格付機関等)により定義・手法・集計時点が異なり、いずれも確定値ではありません。土地売却収入の2026年通年値は年後半の実績次第で変動する参考値です。投資助言・政策提言ではなく、独立した分析・研究目的のコンテンツです。
消費者物価指数(CPI) 前年比(2026年7月)
+0.5%
6ヶ月ぶりの低水準(6月:+1.0%)
▼ 内需は依然弱含み
生産者物価指数(PPI) 前年比(2026年7月)
+3.5%
6月の+4.1%(約4年ぶりの高い伸び)からは鈍化
⚠ 中東情勢による一時的押し上げ
食品価格 前年比(2026年7月)
▲1.5%
4ヶ月連続のマイナス(豚肉価格の下落等)
中国のレアアース世界シェア
精錬90% 採掘70%
永久磁石の製造は約93%を占める
CPIとPPI 、動きが逆方向に見える理由
2026年6月から7月にかけて、消費者物価(CPI)・生産者物価(PPI)はともに前年比の伸びが鈍化しましたが、その中身は対照的です。
CPI(消費者物価)前年比
PPI(生産者物価)前年比
出典:中国国家統計局。PPIは2026年2月時点で▲0.9%(前年比)と、なお下落基調でしたが、3月以降プラスに転じ6月には+4.1%(約4年ぶりの高い伸び)まで拡大しました。
ポイント: PPI(生産者物価)が2026年に入りプラスに転じたのは、国内需要が急回復したからではありません。エコノミストは、イラン情勢の緊迫化とホルムズ海峡の供給懸念によって世界的にエネルギー・原材料価格が上昇したことが主因だと指摘しています。実際、消費者に近いCPIは7月時点で+0.5%まで鈍化し、食品価格は4ヶ月連続のマイナスが続くなど、内需の弱さは解消されていません。「表側(川上の原材料価格)はプラス、内側(消費者が直接感じる物価)は弱含み」という二層構造が、2026年の中国経済の物価動向をよく表しています。
対中輸出規制・レアアース規制 の年表(2025〜2026年)
米中間では、半導体(対中輸出規制)とレアアース(対米・対他国輸出規制)を軸に、規制と一時停止が繰り返されています。
2025年4月 中国、レアアース7品目に初の輸出規制を導入
2025年10月 規制対象を追加拡大し、加工技術の無許可な海外協力も制限
2025年11月 米中首脳会談を受け、10月発表分の規制を2026年11月10日まで1年間停止
2026年1月 米国、AI半導体(H200等)への輸出規制を強化(新基準・個別審査制)
2026年前半 中国、対日本の戦略物資輸出規制を強化
2026年6月22日 中国、米企業10社(MP Materials等)を輸出禁止対象に追加
2026年7月24日 中国、対象をEU企業14社にも拡大
2026年11月10日 2025年10月分規制の一時停止期限(延長の有無が焦点)
IEA(国際エネルギー機関)は、中国のレアアース規制が完全実施された場合、世界で最大6.5兆ドル相当の下流生産(半導体・防衛関連機器等)に影響が及ぶ可能性があると試算しています。
⚠️ 本セクションの輸出規制年表は、各種報道機関・研究機関の公開情報に基づく要約であり、規制の詳細な適用範囲・例外規定は変更される可能性があります。CPI/PPIの解釈も複数のエコノミストの見解の一つであり、断定的な予測ではありません。投資助言・政策提言ではなく、独立した分析・研究目的のコンテンツです。
年間出生数(2025年)
792万人
前年比▲17% ・過去最低を更新
▼ 2016年ピーク比 約56%減
婚姻届出件数(2025年)
676万組
前年比+10.8% (+65.7万組)、3年ぶりの増加
⚠ 2018年の1,000万組超からは依然大幅減
合計特殊出生率(推計)
約1.0前後
人口置換水準2.1を大きく下回る
農村基礎年金 全国最低基準(2026年)
163元/月
2024年123元→2025年143元→2026年163元と3年連続20元引き上げ
出生数と婚姻数、ピークからの下落幅
中国では婚姻件数が翌年の出生数の先行指標とされます。2025年の婚姻件数は3年ぶりに増加しましたが、水準そのものはピーク期から大きく落ち込んだままです。
出典:中国民政部・国家統計局。出生数は2016年(「二人っ子政策」導入直後のピーク、約1,786万人)と2025年(792万人)の比較。婚姻件数は2018年(1,000万組超)と2025年(676万組)の比較。
年金制度に見る都市・農村の格差
同じ「退職者」でも、加入する制度によって受給額には大きな開きがあります(江西省鷹潭市の公表事例、2023年)。
出典:鷹潭市の公表資料(2023年)。全国平均では農村・非就労都市住民向けの基礎年金は月額246元(2024年、約1億8,039万人が加入)とされますが、これは受給額の高い非就労都市住民を含む平均であり、純粋な農村戸籍保有者の受給額はこれより低い(180元前後との試算あり)とする分析もあります。
「四不青年」
恋愛しない・結婚しない・住宅を買わない・子供を持たない、という4つの「しない」を選ぶ若者を指す中国のネットスラング。雇用不安・住宅価格・教育費の高さ・将来不安などが背景にあるとされ、婚姻数・出生数の低迷と表裏一体の社会現象として語られます。
城郷居民基本養老保険(農村・非就労都市住民向け基礎年金)
企業に勤める都市労働者向けの年金制度とは別に設けられた、農村住民や非就労の都市住民向けの制度。全国最低基準は2026年時点で月額163元(約3,300円)に過ぎず、都市の企業退職者(例:月額2,369元)や公務員退職者(例:月額5,080元)との差は大きいとされます。
ポイント: 婚姻件数の増加は出生数回復の先行指標として注目されていますが、多くのアナリストは「一時的な反発であり、構造的な逆風は根強く残る」と慎重な見方を示しています。少子化対策として育児給付・保育料軽減などが導入されていますが、農村部を中心に老後の生活保障そのものが脆弱な現状は、若年層の将来不安・出産意欲にも影響しうる要因として指摘されています。
複合ストレス・シミュレーター (簡易・説明用モデル)
雇用・社会保障・住宅取得のしやすさという3つの要素が改善した場合、若年層を取り巻く環境がどの程度改善しうるかを直感的に示す簡易モデルです。実際の出生率予測やアカデミックな人口推計モデルではなく、あくまで構造の理解を助けるための説明用ツールである点にご留意ください。
シナリオをワンクリックで試算 👇
🟢 シナリオA改革が進むケース
🟡 シナリオB現状延長ケース
🔴 シナリオC改革停滞ケース
※このスコアは3つの入力値の単純平均に過ぎず、実際の出生率・婚姻率との定量的な因果関係を示すものではありません。雇用・社会保障・住宅という3要素が少子化対策の議論でしばしば挙げられる代表的な論点であることを直感的に示すための説明用モデルです。
⚠️ 本セクションの人口・年金データは中国民政部・国家統計局・各種報道機関の公表データに基づく引用です。複合ストレス・シミュレーターは学術的な人口推計モデルではなく、構造理解を助けるための単純化された説明用ツールであり、将来の出生率や政策効果を予測・保証するものではありません。投資助言・政策提言ではなく、独立した分析・研究目的のコンテンツです。
施行日
2026年9月15日
国務院令第841号(李強首相署名、7月31日公布)
条文数
全19条
2013年の出入境管理法施行以来、最大規模の改正
2025年の出入境者数(延べ)
6億9,700万人
過去最高を更新
外国人の入国禁止期間
1〜5年
虚偽情報提供・対抗制裁リスト掲載等の場合
⚠ 対象範囲が拡大
新規定の主な変更点
① 中国国民の出国制限の拡大
輸出規制対象となっている技術分野(レアアース・電池等)に関わる人材が、機密情報を海外に持ち出すことを防ぐ目的の出国禁止規定が新設されました。国家安全に関わる場合は、禁止の通知そのものが留保されることもあります。
② 外国人の入国制限の強化
虚偽情報の申告、過去の出入国関連違反、中国の対抗制裁リストへの掲載等を理由に、1〜5年の入国禁止処分を科すことが可能になりました。
③ 渡航仲介業者の登録制度新設
ビザ申請・出入国関連の仲介サービスを提供する業者に、政府への登録・監督への協力を義務付ける制度が新設されました。
④ 海外渡航リスクの管理強化
武力紛争や重大な安全上の脅威がある地域への渡航を注意喚起する仕組みが盛り込まれました。一部報道では、「高リスク」地域として日本を含む国名が取り沙汰されていると報じられています。
具体事例:AIスタートアップ共同創業者の出国差し止め
新規定が本格施行される前の2026年3月にも、類似の権限行使とみられる事例が報じられています。
2026年3月、米Meta社によるAIスタートアップ「Manus」の20億ドル規模の買収を巡り、中国当局は同社の共同創業者2名について、投資規制違反の有無を審査する間、出国を差し止めたと報じられています。その後、北京はMeta社に対して買収の解消を命じたとされます。この事例は新規定の施行前のものですが、技術・投資関連の審査を理由に出国が制限され得ることを示す先行事例として報じられました。
評価が分かれる点
当局側の説明
司法省・公安部・国家移民管理局は、新規定は出入国管理を標準化し、渡航者の適法な権利を保護しつつ、国家安全と発展の利益を守るためのものだと説明しています。全国民に事前許可を義務付けるものではなく、通常のパスポート制度を廃止するものでもないと明言しています。
一部アナリスト・海外メディアの見方
一部の海外アナリスト・報道機関は、通知の留保規定や国家安全に関する条文の曖昧さを理由に、「史上最も厳格かつ不透明な国境管理規則の一つ」になり得ると指摘しています。技術者・研究者の海外渡航がどこまで制限され得るか、運用の実態は施行後に明らかになる部分が大きいとされています。
※どちらの見方が正しいかを本ダッシュボードが判定するものではありません。制度の条文自体と、それに対する異なる評価の両方を並記しています。
⚠️ 本セクションは中国国務院が公布した規定の公開情報、および各種法律事務所・報道機関の分析に基づく要約です。規定の詳細な運用・適用範囲は施行後(2026年9月15日以降)の実務によって明らかになる部分が多く、本ダッシュボードは法的助言を目的としたものではありません。実際の渡航・ビジネス上の判断には、専門家への確認をお勧めします。
⚠️ バーゼルⅢ最終化(FRTB)関連 市場流動性リスク評価
中国本土の銀行システムは資本規制(QDII/QFII枠等)により国際資本市場から一定程度隔離されており、FRTBを含む最終化バーゼルⅢ基準の国内実装も国際水準と同一歩調ではない。直接的な影響は、工商銀行・建設銀行など中国系G-SIB(グローバルなシステム上重要な銀行)の海外拠点・国際業務部門 に限定的に及ぶにとどまるとみられる。
① 追加モニタリング推奨指標
中国系G-SIB(工商銀行・建設銀行等)海外拠点のTier1・レバレッジ比率
要監視
FRTBの影響が及び得る唯一の主要チャネル
オフショア人民元(CNH)流動性・香港HIBOR
要監視
資本規制下でも国際金融市場と接続する数少ない窓口
QDII/QFII枠の消化状況
要監視
資本規制の運用姿勢の変化を見る
PBOC(中国人民銀行)の金準備買い増しペース
要監視
脱ドル化の進捗を示す最も分かりやすい指標
② 資本流動シナリオ予測: 資本規制が機能している限り、FRTBを起点とした「リスク資産の換金売り」「資金の国内回帰」のいずれのシナリオも、国内金融システム全体を揺るがすほどの規模には発展しにくいと評価。中国系G-SIBの海外部門がトレーディング資本コスト上昇に直面すれば、当該部門の業務縮小という形で限定的に現れる可能性はあるが、人民元・国内資産への直接的な波及は小さいとみられる。
③ 2026年末 警戒アラート(担保評価見直し・強制ロスカットリスク) 警戒度:低 資本規制による隔離構造から、FRTBを起点とした担保ヘアカット・強制ロスカットのリスクは低いと評価。むしろ不動産セクター・地方政府債務など、既存の構造的リスクの方が引き続き支配的な変動要因。
🌐 BRICS圏としての補足: FRTBそのものへの直接的な反応は限定的である一方、PBOCは既に数年にわたり継続的な金準備の積み増しを進めており、米ドル資産偏重からの分散(現物ゴールド比率の引き上げ)という長期トレンドは今後も続く可能性が高い。これは規制対応というより、米中対立・制裁リスクへの備えとしての構造的な動きと捉えるのが妥当。
⚠️ 本セクションはBIS・PBOC・各種報道機関の公表情報に基づくTK MAX独自の整理です。規制内容・適用時期は今後変更される可能性があります。投資助言・政策提言を目的としたものではありません。