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物価・家計シリーズ

実質賃金は上がったはずなのに ―― 「増えた実感」が消えるカラクリ

2026年7月の実質賃金は7か月連続プラス(+2.4%)。それでも生活が楽になった実感がないなら、公式の物価統計(CPI)が測っている「物価」と、日々の買い物で払っている「物価」の間に、構造的なズレがあるのかもしれません。

📅 2026年9月更新 出典:総務省統計局/厚生労働省/国税庁 🤖 NotebookLM音声解説つき
🎧

音声解説・スライド資料(AI生成)

本ダッシュボードの内容をNotebookLM(Gemini Notebook)で音声解説・スライド化したものです。
NOTEBOOKLM AUDIO
言語:日本語(自動生成・対話形式)
🧮

シミュレーター:あなたの「物価ギャップ」を試算する

「公式のCPI」と「あなたの生活実感」、2つの物価上昇率を入力すると、その差が家計に及ぼす影響の目安を試算します。
① 公式発表のCPI(消費者物価指数・前年比) 1.8%
0%5%
② 実際の生活実感インフレ率(体感) 4.0%
0%10%
プリセットから選ぶ(迷ったらこちら)
推定される実質購買力の年間目減り額(試算)
約 10.5 万円/年
+2.2 ポイント の物価ギャップ
🟡 警戒:ズレが拡大中
-2pt0pt2pt4pt6pt8pt+
試算式:想定年収478万円(国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の平均給与、過去最高値)×(生活実感インフレ率−公式CPI)÷100。実際の年収・支出構成によって結果は変わる簡易モデルであり、個々の家計の実測値ではありません。
🔍

なぜズレが生まれるのか ―― CPIを「低く」見せる3つの構造

公式CPIが不正確というより、測り方の"設計"そのものが、実際の値上がりよりゆっくり反応する仕組みになっています。
公式CPIが測っている世界
家計が実際に払っている世界
帰属家賃(持ち家の家賃換算)全国CPIの総合10,000のうち約1,503(約15%)を占める最大級の品目。持ち家を「自分に貸しているつもり」で家賃換算した推計値で、長期契約的な性質上、動きが非常に緩やか。
実際に払う家賃・更新料賃貸契約の更新や引っ越しのタイミングで、市中の家賃相場の上昇がそのまま反映される。帰属家賃という"重し"がCPI全体の伸びを鈍らせている間も、実際の負担は先に動く。
ヘドニック法による品質調整総務省がパソコンやカメラなど一部品目に適用する統計手法。性能・機能の向上分を「実質的な値下げ」として指数に織り込む。
店頭で実際に払う価格買い物客が支払う金額そのものは下がっていない、またはむしろ上がっているケースでも、統計上は品質向上を理由に価格が下押しされて計上される。
5年に一度しか変わらないウエイトCPIの品目別ウエイト(重みづけ)は5年ごとの基準改定でしか更新されない。2026年7月分から「2020年基準」→「2025年基準」への切り替えが行われたばかり。
日々変わる消費の中身食料品や日用品の値上げなど、家計が実際に感じる支出構成は毎月のように変化する。統計の"物差し"の更新が、現実の変化に対して常に数年遅れる構造。
1
統計上の物価(公式CPI)が算出される帰属家賃やヘドニック調整によって、実勢より緩やかに上昇する数値が「物価上昇率」として公表される。
2
賃金交渉・制度は公式CPIを参照する春闘のベースアップ水準や年金の物価スライドなど、多くの制度・交渉が公式CPIを基準に設計されている。
3
実際の生活費はそれより速く上がり、差額が埋まらないまま残る食料品・日用品などの値上がりは公式CPIより速く体感される。ギャップは「いずれ調整される」前提のまま、先送りされ続ける。
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一次データを見る

総務省統計局「消費者物価指数」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」、国税庁「民間給与実態統計調査」から、本ダッシュボードで参照した数値をまとめています。
▶ 一次データ・出典一覧を開く(総務省/厚労省/国税庁)
クリックで開閉します。数値は執筆時点(2026年9月)で公表されている最新の確報・速報値に基づきます。
指標数値備考出典
全国CPI 総合指数(2026年7月)前年比 +1.9%食料は+3.5%と相対的に高い伸び総務省統計局
全国コアCPI(生鮮食品を除く総合、2026年7月)前年比 +1.6%5か月連続で2%を下回る水準総務省統計局
CPI基準改定2020年基準→2025年基準2026年7月分の公表から新ウエイトに切替(5年に一度)総務省統計局
持家の帰属家賃ウエイト1,503 / 10,000(約15%)家賃全体(民営・公営含む)では1,703(約17%)総務省統計局
実質賃金指数(2025年平均)前年比 -1.3%4年連続のマイナス厚生労働省「毎月勤労統計調査」
実質賃金(2025年12月)前年比 -0.1%12か月連続マイナスを記録厚生労働省「毎月勤労統計調査」
実質賃金(2026年7月)前年比 +2.4%7か月連続プラス(2021年の連続記録に並ぶ水準)厚生労働省「毎月勤労統計調査」
現金給与総額(2026年7月、1人当たり)前年比 +4.7%所定内給与+特別給与を合算した総額厚生労働省「毎月勤労統計調査」
所定内給与(基本給等、2026年7月)前年比 +4.1%賞与を除く、毎月決まって支給される給与厚生労働省「毎月勤労統計調査」
特別給与(賞与等、2026年7月)前年比 +6.3%現金給与総額の内訳で最も高い伸び率厚生労働省「毎月勤労統計調査」
平均給与(2024年分)478万円比較可能な統計での過去最高値国税庁「民間給与実態統計調査」
品質調整手法ヘドニック法パソコン・カメラ等の性能向上分を価格下落として指数に反映総務省統計局
内訳を見ると、現金給与総額+4.7%の伸びは賞与など特別給与(+6.3%)が主に牽引しており、基本給にあたる所定内給与(+4.1%)はそれより緩やかだ。所定内給与は毎月安定して家計に入る一方、食料+3.5%などの体感インフレに相殺されやすく、「基本給は伸びているのに楽になった実感がない」という感覚の一因になっている可能性がある。
出典:総務省統計局「消費者物価指数」(2026年7月分、2020年基準・2025年基準)/厚生労働省「毎月勤労統計調査」各月分結果速報/国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」。いずれも各省庁が公表する統計です。
⚠️ 本ページは公開されている情報に基づく独立した分析・研究目的のコンテンツです。投資助言・政策提言を目的としたものではなく、内容の正確性を保証するものでもありません。シミュレーターの試算結果は簡易モデルによる目安であり、個々の家計の実際の負担を示すものではありません。音声・スライドはNotebookLM等のAIツールによる自動生成コンテンツです。
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